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平安時代の囲碁とは?【紫式部・清少納言が記した1000年前の風景を感じよう】

平安時代の囲碁とは?【紫式部・清少納言が記した1000年前の風景を感じよう】

囲碁と平安時代の関係については、なんとなく聞いたことがある人もはないでしょうか?

平安時代に有名な紫式部、清少納言も囲碁を嗜んだと言われています。

この記事では、平安時代の囲碁について詳しく掘り下げていこうと思います。

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平安時代の囲碁とは

平安時代は、西暦794年〜1192年(1185?)までの期間です。平安時代には貴族と呼ばれる階層が中心となって、文書による記録が本格的に始まった時期でもあります。

そんな貴族たちに人気の遊びとして広まったのが、「囲碁」です。

平安時代には囲碁を専門とする職業はまだ存在せず、貴族たちの間で遊び感覚で嗜まれていたものでした。

ヒカルの碁で登場した「藤原佐為」も、平安時代に貴族たちに囲碁を指南していた人物でしたね。

平安時代には棋譜という概念がなかったと思われ、対局の記録はまだ見つかっていません。
その代わりに、紫式部や清少納言のような当時の人々がどのように囲碁を楽しんでいたのかを知ることができます(下の項目で紹介)

囲碁が日本に伝わった歴史

先ほど紹介したように、囲碁が日本で有名になったのは平安時代なのですが、囲碁の伝来はもっと前の時代でした。

囲碁のはじまりは中国と言われ、紀元前二十四世紀ごろ、中国の聖天子堯帝と舜帝が囲碁を発明して息子たちに教えた、と伝えられています。

初期の囲碁の役割は占いとか戦略ゲームとか言われていますが、孔子や孟子のような詩人たちも囲碁を嗜んだことから、相当な影響力があったと考えられています。
【関連記事】子供に囲碁を習わせるデメリットは?孔子・孟子の大激論!!

平安時代に栄えた囲碁と文学

平安時代といえば、文学の時代ですよね。平安時代に有名なのは「紫式部」「清少納言」と言った作家ですが、彼女たちも囲碁を楽しむ貴族の一人でした。

紫式部の源氏物語


源氏物語は紫式部が生涯で唯一出版した著作です。現代では国語の教科書に載るほど有名な作品ですね。

源氏物語では、「手習の巻」「空蝉の巻」「竹河の巻」「宿木の巻」に囲碁のシーンが描写されています。

源氏物語の囲碁シーンではコウ争いの時の感情だったり、囲碁用語を用いた表現だったりと、本当に囲碁を知っている人が書いた文章であることが感じられます。

なぞかう暑きにこの格子はおろされぬるととへば、
ひるより西の御かたのわたらせ給ひて、
碁うたせたまふといふ
(中略)
碁うち果ててけちさすわたり、
こころとげに見えて、きはきはしうさうどけば、
おくのひとは、いとしずかにのどめて、
まち給へや、そこは持にこそあらめ、
このわたりの劫をこそなどいへど、
いで此のたびはまけにけり、
すみのところどころ、いでいでと、をよびをかがめて、
とを、はた、みそ、よそなどかぞふるさま、
いよのゆげたもたどたどしかるまじうみゆ

このシーンは空蝉と軒端の荻が碁をうつ姿を源氏の君が垣間見ているところで、ほぼ打ち終わって「ちょっとお待ちになって、そこは持でしょう。こちらのコウを先に片付けましょう」「いいえ今度は負けてしまいましたわ。ここは十、二十、三十、四十」ときびきびと目を数える様子が書かれています。
紫式部は碁がお好き!より引用

1000年前に書かれた書物でありながら、現代の私たちと共感できる感覚があるというのは特別な感じがしますね。

源氏物語には紫式部の体験談を実際に書かれているので、平安時代の囲碁を感じるにはとても良い作品だなと思います。

清少納言の枕草子


実は源氏物語の参考となったのが、枕草子ではないかと言われています。

枕草子は源氏物語よりも早く完成されたのですが、紫式部は清少納言の言葉遣いに魅了され、その雰囲気を真似て書いたと思われる部分が多々見られます。

枕草子で描かれている囲碁の風景は、なんだか碁会所のひとシーンのような感じがします。

(相手がその配石に)それほど不備があるとも気づかずに欲張って別のところに打っている間に、違う方から目を奪って多くとるのも嬉しい。誇らしげに笑い、ただの勝ちよりも誇らしい、と対局時の感情を率直に綴つづっています。
その一方、碁を打つ時、上手ぶって相手の石を取ろうと打ち下ろしたところ、失敗して、相手の石は生き、自分の方の石は死んで拾い取られた心地、という一節もあり、双方の記述から筆者の対局の様子がありありと想像できます。
本の万華鏡より引用

あぁ、自分のことかな、と思われた方はいらっしゃいませんか??

この1000年間囲碁をたしなむ人の間では変わらずに繰り広げられてきた光景なのでしょうか。なんだか、当時の碁打ちたちの声が聞こえてきそうですね。

平安時代以降の囲碁の歴史

平安時代に囲碁が貴族の間で嗜まれるようになってから、日本国内では囲碁の認知度がどんどん上がっていきます。

日本で囲碁が爆発的に広まったのは室町時代で、この時代に活躍した織田信長を始め、戦国武将・商人までも囲碁をたしなむようになりました。

この時代に入ると囲碁の対局を記録する文化が徐々に生まれ始め、日本最古の棋譜は安土桃山時代の「算砂」という人物の棋譜です。

私もこの棋譜を並べてみたのですが、たった50手ほどの棋譜でも当時の流行や感覚が十分に感じられる棋譜でした。当時は最後まで棋譜を記録することは少なかったようで、勝敗不明の棋譜がたくさんあります。

この時代の詳しい話は「囲碁の発祥起源は4000年前の中国!歴史から見る日本の未来は?」に書いています。

囲碁の歴史はすごく深くて、実は有名な歴史に深く関わっていることも多いです。

囲碁の歴史を学ぶには、日本棋院囲碁殿堂資料館へ行ってみましょう!

日本棋院の囲碁殿堂資料館には、平安時代に使われていた最古の碁盤を始め、実際に使って遊べる不思議な碁盤もあって、とても楽しいです!

囲碁殿堂資料館
この碁盤の横には同じデザインの椅子が二つあって、対局しているかのような写真を撮ることができます!

日本棋院囲碁殿堂資料館
私と友達が作ったシチョウ問題です(笑)
こんな感じで、ちょっと不思議な碁盤がいくつか置いてあります。

9路盤も合わせて、ちょこっと遊ぶことができます!

みなさんも囲碁の歴史に興味を持ったら、日本棋院の囲碁殿堂資料館に足を運んでみましょう!

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