囲碁の伝説の布石といえば、小林流を思い浮かべる人が多いでしょうか?
小林流とはこんな感じの布石ですね。
一時期黒の必勝布石とも言われた小林流
今でもたくさん打たれています。
このページでは小林流について、深く研究しています。
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【囲碁定石】小林流研究
小林流が流行っていたのは、小林流が囲碁の必勝定石だと言われていたためです。
しかし今回紹介したような大ケイマカカリによって小林流の威力が発揮しにくいということで、小林流の必勝伝説は崩れました。
最近はまた研究が進んで小林流を打つ人が増えているみたいですね。小林流は打ちこなせばそれだけ威力を発揮するので、少し甘いからといって諦めずに好きなように使ってみてください。小林流を極めた人が小林流を打つと、相手は序盤で潰れてしまうことも多くなって序盤で優勢に立つことができます。
基本的な小林流定石のまとめ
最初に今回紹介する定石の一覧をご覧ください。
それぞれについては以下の各項で詳しく解説しています。
黒成功の小林流定石
結論:黒良し
小林流に対する白の新手
結論:黒良し
白の新手に対する黒の挑戦
結論:白良し
一般的な小林流対策
結論:互角
最も穏やかな小林流対策
結論:互角
古典的な小林流定石
結論:互角
小林流が力を発揮する進行
普通に打つなら1間高カカリでしょう。
対して黒は2間高バサミが最も小林流を光らせる手です。
小林流がぴったり成功する布石

普通に飛んでみます。
ここでもし
黒が受けると、白4以下白は地を取ります。
右下には、ぴったりした攻めがないので
白も十分打てます。
黒は小林流を活かせず主導権を握れなかったため失敗です。
しかし、黒には次のような好手があります。
露骨なノゾキが好手です。
黒3に回っては黒のペースです。
小林流が光っていますね。
これで、白の下辺への侵入を防げています。
念のため、白からの攻撃を検証しましょう。
以上のように黒は耐えています。
この進行は黒の小林流が大成功して、地でかなりのリードがあります。
よって白は
逃げなければならないのですが
地を取りながら攻めることができるので黒は満足です。
このように小林流に対して単調に打つと白は逆襲を食らうので気を付けましょう。
工夫された新しい小林流対策

ここに外すのが、白の工夫です。
黒はどう対処すればよいでしょうか。
【失敗】主導権を逃す
受けるのは弱気な態度です。
この図は黒の好手を防いだ結果になっており
白の工夫が成功した図です。
先ほどの古典的小林流対策で黒が失敗した図と同じですね。
白は手順を変えて黒を誘っているのです。
また、このとき
ノゾキは白の侵入を防げません。
この図はスミの地が大きく、白満足です。
よって、受けは失敗です
【失敗】地で戦おうとする小林流

ケイマで打ってみます。
対して白は
この図は白が黒地を固めたというよりも
黒が白を強化したと見るのが普通です。
その理由として、先ほどの白成功の図よりも
右辺の黒1子が孤立しているのがおわかりでしょう。
このように主導権を握れない展開では小林流の力が発揮できません。
古典的小林流の成功図と比較したら地も厚みも減っていますね。
よって、ケイマも失敗です。
【正解】小林流は簡素に打ち進める

なんとも冷静な、この1間トビが最善の反発です。
もし白がつながろうとすると
この図に戻ってしまいます。
なので、白も反発して
ここまでが、新たに開発された小林流の定石です。
新たに開発されたと言っても、小林流は古い定石の部類なので昔の棋譜にもよく出てきます。
ただし、私の感覚ですが白がやや薄く
このあとの白の打ち方が難しくなることが多いです。
ちなみに、スミですが
このあたりに味が残っているので
黒も悩ましいのは同じです。
【失敗】小林流の難解変化

これはすごく難しいです。
小林流はここまで難しい変化をする必要はないですが、これも研究しておく必要があります。
結論は、白満足です。
変化図を下に載せます。
このあと・・・
黒はデギリしかありませんが
攻め合いは白勝ち
振り変わりも白良しです。
よって、このツケは反発としては黒失敗です。
反発としては2が最強ですので
以上より
白の1間高ががりは黒有利になります
最もおすすめな小林流対策

以上のことを踏まえて
最も打たれるようになったのがオオケイマカカリです。
小林流はかなり研究されているので、相手の研究を外そうとしたのが最初の試みです。
なんの変哲もない普通の定石になれば白の作戦通りです。
簡明策に見えますが
恐ろしい変化を含んでいるので注意です。
一般的な小林流の進行
一般的にはこのような進行が予想されます。
ここで、黒から上手い手があります。
この手筋の詳細は、「誰でも使える囲碁布石のワンポイント」をご覧ください。
では、白がこちらにひらくと
ここで、黒は二つの選択肢があります。
穏やかな小林流の進行

一般的な小林流の定石ですね。
ここで白4を省くと
白は傷だらけになってしまうので
注意が必要です。
厚みを重視した小林流定石

これは下辺の模様を意識した手です。
白にも右辺に地を与えるため
思い切った作戦といえるでしょう。
小林流対策に有力なのはオオケイマカカリ
1間バサミ

オオカカリの意図は
穏やかに済ませて小林流の攻めを軽減させようというもの。
白は、なるべくわかりやすい図を目指します。
オオケイマカカリの基本定石、ツケがこの場合いい手です。
変化一例です。
星の定石に戻りましたね(笑)
もちろん、互角なのですが・・・・・
黒としては、小林流をかわされた感じです。
ちなみに、
ここに打ち込みがあるので、黒地はまだはっきりしていません
この定石は方向が逆です。
右下の白は強いので、下辺の価値は小さいです。
これも小林流の勢いを活かせていません。
変化してみます。
星の石が右下に近寄りすぎです。
右下の黒は強い石なので、もう少し遠くにあるべきです。
よって
ハサミの位置は色々ありますが、白は
ここのツケで難しくはならないというのが結論です。
黒はせっかく小林流を使っているので
もっと戦闘的な布石にしたいところです。
したがって、ハサミを打つひとは少ないのが現状です。
1間トビ
これが、小林流を最大限に活かす打ち方です。
小林流の基本的な受け方となっており
定石は変化多様、難しいものは目がまわるほどの難しさです。
では、一つずつみていきましょう。
困ったら手抜きしよう
実に簡単です。
わからなければ、手を抜けばいいのです(笑)
こう見えてなかなか有力な手段で、手順を変えると
どうでしょう?
白に不満があるわけないですね。
まだ下辺は打ち込みが残っています。
攻撃的な小林流
もっともノーマルな打ち型です。
前回までは地に辛く、簡素な小林流を紹介しましたが、ここからは攻撃的な小林流の紹介がメインとなります。
とにかく、2は急所です。
以下黒5まではほぼ必然。
ここで白に2通りあります。
【正解】黒に厚みができる
注目していただきたいのは黒6。
この模様の急所はココなのです。
よくアマ7段くらいでも
平気な顔してここに飛びますが
相当な決断を要する一手です(笑)
なぜなら
この打ち込みに対して厳しく打たないと
せっかく小林流で作った黒地が大荒れしてしまうからです。
しかし・・・・
最も厳しいのはツケノビですが
白9まで黒の断点もあって白はなかなか死にません。
したがって
プロやトップアマはしっかりと地が確保できるケイマを打ちます。
ただし、少々高度な戦略のため
トビを選択しても大丈夫です。
【白失敗】小林流の破壊力
トビに対して、黒は4のナラビが急所です。
これに対して下辺を荒そうとするものなら
このように
白崩壊してしまいますので気をつけましょう
これが韓国産の強手です。
穏やかに見える小林流にも、こんな狙いが隠されているので、白は油断できません。
あんまりよくない小林流の進行
むかしの小林流で流行りました。
ややハメテ感のある手ですが・・・
白は正しく打てば
黒の意図を挫くことができます。
小林流大成功
これはこれで白も立派ですが
黒としては広げるという要求が通った形です。
これは黒が主導権を握りやすいので
白はもう少し工夫して打ちたいところです。
小林流失敗
白は、4の曲がりがいい手です。
白は黒を低くおさえ、中央に向かっています。
また、抜きもあって眼はほぼあります。
よって黒は戦いの主導権を握りにくいので
白は小林流の威力を緩和していますね。
難しいけど有力候補の小林流
とても有力な手です。
では、白の応手をひとつずつみていきます。
カケが有力という意味
白1は急所ですが
3の曲がりは黒からカウンターが飛んできます。

このハネで白は困っています。
仮にこの石を取りに行くと・・・
捨てられて黒が厚くなります。
ここで白13を手抜くと
白は攻め合い負けですから白は大損です。
では筋良く切ってみます。
なんだか黒は傷だらけですが
このように、切り返して外に厚みを作ります。
序盤なので白にコウ材がなく、黒が有利な戦いです。
白の打ち方は以下の2つです。
小林流の厚みの完成
白は先手を取れますが
黒が厚く、黒良しです。
変化しても小林流の厚みが残る

下からまくるのも考えられます。
黒は団子石になりますが
白には傷がたくさんありますね。
ここまで、黒が厚く、優勢です。
以上より、黒よしです。
有力な小林流定石に対する白の対策

ということで
白は単に切ることになります。

黒は抑えが最強
ここで白はスミを取りたいのですが
ここで、黒4のハサミツケがうまい手です。
上をツグと、下辺ぴったりと止められます。
下を守ると上がぴったり止まります
したがって、
逃げるよりありませんが・・・

続いて・・・
ここで、切るのがうまい手です。
次に
これは攻め合い黒勝ちで
白はバラバラですね。
これも
黒地が大きく、黒優勢です。
よって、単キリでも黒が良くなります。
ということで、カケは有力です。
みなさん、是非試してみてくださいね
2間高カカリ

これは、最もオススメなかかり方です。
白は簡明に打てます。
白は厚みに見えて得がない形

白は抑えるのはあまりお勧めしません。
ただし上図は互角の形です。
黒は押したあとに5が急所で
白は浮石になってしまいます。
この場合
こんな手や
こんな手が
嫌味として残っているため
黒は3回押してはさむのが良いとされています。
(2)簡明型

黒1、3は地を意識した手ですが・・・
白は相手にせず、足早に打って簡明です。
あとからの狙いとして
これが厳しい手です。
黒が受けると
白は簡単に治まってしまいます。
黒は切ってみても
隅がえぐれます。
こちらを切っても・・・
ぴったり止まります。
よって
このくらいの相場ですが
やや黒の形が利かされなため、白打ちやすいです。
小林流を活かす打ち方
ココに押すのが黒の工夫です。
次にハネが大きいので白はノビます。
このあと、白に選択肢があります。
白が手厚く打つ進行
ノビも立派な手です。
ココにのびていれば白は安全です。
黒2のすべりは20目ほどの大きな手ですが
まだまだ下辺が空いているという白の主張です。
白が足早なタイプ
2子は軽く見て、打ち込みます。
以下15まで一例ですが
白が足早に打ちまわしています。
この図は好みが分かれるところでしょう。
黒が模様を広げる攻め方
こちらにケイマするのもいい手です。
対して白は
このように進行して、不満ありません。
仮に下辺に地を作られてもそこだけという話です。
白地の合計と下辺がいい勝負なので
先手で他にまわることでバランスが取れています。
地に辛く打つハサミ
ハサミにコスミは有力です。
このように進行すると
白が治まって黒不満です。
この定石は黒も打てます。
このあと・・・
これもありますが
やや黒が打ちやすいようです。
このあと、
下辺の利きを頼りに、如何に
これを成立させるかがポイントになります。
黒は星の黒石の位置が微妙であるという欠点があります。
最近では、新小林流として
こちらに打つほうが多いです。
黒は難しい変化に引き込むことはできないですが
地に辛いため打ちやすいという主張です。
白の注意として、簡明形を選ぶと
このように、ヒラキの位置がぴったりです。
よって
このような進行になります。
これは
白に簡明形を打たれた時に比べて
黒地がはっきりしているので
黒の工夫が通っているということです。
やっぱりみんな地があるほうが好きなんですね(笑)
以上で小林流研究は終わりです。
他の定石もぜひ読んでみてくださいね。
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